3年ほど前から、スーパー銭湯などの温浴施設のお手伝いをしています。
はじめは、単に女性客目線での改善提案をするだけだったのですが、温浴施設専門にコンサルティングを行っている夫の仕事が忙しくなり、手伝っているうちにさらに仕事が増えていき、いつの間にかどっぷりと温浴施設のマーケティングに関わるようになりました。
とはいえ温浴専門で何十年も仕事をしている人から見れば、まだまだ素人目線のほうが強い私です。他業種から参入される方とは目線が近いと思いますので、私なりに感じることを時々お伝えしていきたいと思います。
さて、ここ1年で70軒以上の施設を回り、実際の経営数値なども確認してきましたが、とにかく建設コストが大きいのがこの業界の最大の特徴だと思います。初期投資額を聞いただけで「えっ!そんなにかけちゃったんですか?!(回収できるのか…?)」と絶句せざるを得ないこともあります。
投資額だけの問題ではありません。施設を建ててしまった後では取返しがつきにくいのも温浴施設の特長です。他にこんなにも手痛い失敗をしがちな業界はないのでは?と思うほどです。
先日拝見した施設も、一見するとイマドキ風でスタイリッシュ、お客様から見れば何の問題もなさそうなのですが、実は排水のしくみが温泉の泉質と合っていない上に非常にメンテナンスがしにくいつくりとなっており、定期的に営業を停止しないと排水溝が詰まってしまうという超・ハイコスト体質となっていました。 それを直そうとすると建て替えが必要なレベルで、再度莫大な投資が必要となります。
担当の設計士さんは非常にセンスがいいのですが、残念ながら温浴施設の運営のプロではなかったようです。
ここまで極端な例は少ないですが、実は、初期の設計にその後の経営の足を引っ張られてしまう施設は少なくありません。私はコンサルタントとしてのこの業界との関わりは短いですが、「温浴施設の建設や計画は、絶対に業界のプロに頼んだほうがいい!!」ということだけは断言できます。
他の業種ももちろんプロに頼んだほうが良いと思いますが、温浴施設業界でのプロへの投資は確実に回収できます。プロに頼めば、運営やメンテナンス、オペレーション、顧客導線、ランニングコストまでを考慮した設計ができ、人件費や水光熱費をおさえることもできるからです。
施設の建設は大きな買い物ですから、失敗しないに限ります。
オチも何もありませんが、温浴施設についてはぜひプロにご相談されることをおすすめいたします。
さて、夫も私もコンサルティングに四半世紀くらい関わってきましたが、まさか夫婦一緒に仕事する機会がこんなに増えるとは…と驚いています。
将来的にはコンサル業界の林家ペー・パー子を名乗ることを目指し、日々精進してまいりたいと思います。
コメント